小説を書く際に欠かせないのがプロット作成です。プロットとは、物語の筋書きや構成のことです。
プロットがしっかりしていれば、小説の書き進めや修正がスムーズになります。
プロット作成ではアイデアが浮かばなかったり、物語がまとまらなかったりすることもあります。
そんな時に役立つのが、AI(人工知能)を使った文章作成ツールです。
今回は、 ChatGPT を使ってプロット作成する方法を解説していきます。
プロット作成に必要な要素
まず、プロット作成に必要な要素についておさらいしておきましょう。
一般的に、プロットは以下のような項目から構成されます。
プロットの要素は数が多いので、分割して解説します。
プロットの要素①
- テーマ : 物語の核となるメッセージ
- ジャンル : 物語のカテゴリー
- タイトル : 物語の名前
- コンセプト : 物語の特徴
- ログライン : 物語の概要を簡潔に書いたもの
上記要素についてそれぞれ解説します。
テーマ : 物語の核となるメッセージや考え方です。「正義は必ず勝つ」とか「人生は選択の連続である」など物語が伝えたいことを決めます。
ジャンル : 物語のカテゴリーです。「ミステリー」や「ファンタジー」など、物語の雰囲気やスタイルを決めます。
タイトル : 物語の名前です。実例では「君の名は。」や「ダ・ヴィンチ・コード」など、物語にふさわしい魅力的な名前を付けます。
コンセプト : 物語の特徴です。「魔法学校に通う少年の冒険」や「秘密結社が隠した暗号を解く教授の推理」など、物語のアイデアを表現します。
ログライン : 物語の概要を簡潔に書いたものです。例えば、「魔法界と闘う運命にある少年が、友情と勇気を学ぶ物語」など、物語の主人公と目的と障害を一文でまとめます。
プロットの要素②
- 登場人物 : 物語に登場するキャラクター
- 設定 : 物語の舞台や世界観
- プレミス : 物語の核となる出来事
- プロットポイント : 物語の展開を決める重要な場面や事件
上記要素についてそれぞれ解説します。
登場人物 : 物語に登場するキャラクターです。主人公やヒロイン、敵役など、役割や関係性を決めます。
また、名前や年齢、性格、外見、過去の経歴など、キャラクターの特徴や背景も設定します。
設定 : 物語の舞台や世界観です。現代の日本や異世界、未来や過去など、物語が起こる時代や場所を決めます。
また、その世界における法則やルール、文化や歴史なども設定します。
プレミス : 物語の核となる出来事です。例えば、「主人公が魔法の力を得る」など物語が始まるきっかけや動機を決めます。
プロットポイント : 物語の展開を決める重要な場面や事件です。
例えば、「主人公が仲間と出会う」・「主人公が敵と対決する」・「主人公が秘密を知る」など物語に高まりや転換をもたらすポイントを決めます。
プロットの要素③
- ストーリーストラクチャー:物語の構成や流れ、起承転結など
- サブプロット:物語の主要なプロット以外の補助的なプロット
- テーマ別シーン:物語のテーマを表現するシーンや場面
- シナリオ:物語の具体的な内容やセリフ、描写など
上記要素についてそれぞれ解説します。
ストーリーストラクチャー:物語の構成や展開のパターンのことです。代表的なものに三幕構成、起承転結、ヒロイック(ヒロインズ)・ジャーニー、サヴェ・ザ・キャットなどがあります。
サブプロット:主要な物語とは別に展開される小さな物語のことです。主人公以外の登場人物の恋愛や友情、過去や秘密などが題材になります。サブプロットは物語に深みや複雑さを加えたり、主人公の成長や変化を促したりする役割があります。
テーマ別シーン:物語のテーマに沿ったシーンを作る方法のことです。テーマは物語の核心やメッセージであり、シーンはその具体的な表現です。テーマ別シーンを作るには、テーマを明確にし、それを支える設定やキャラクター、出来事を考え、それらを効果的に組み合わせることが必要です。
要素が多いですよね
これらの要素を考えることで、物語に深みや魅力を与えることができます。
しかし、これらの要素をすべて自分で考えるのは大変ですし、時間もかかります。
そこで、ChatGPTを使ってプロット作成に役立てる方法を見ていきましょう。
ChatGPTを使ってプロット作成する
ChatGPTは、自然言語処理の技術を用いて、人間と会話するように文章を生成するAIモデルです 。
このツールは、インターネット上で無料で利用できます 。スマホでも使えるので、手軽に試すことができます。
一気にプロット作成(文章)
例えば、「SFミステリー 人工知能 暗号」をキーワードとして扱う場合には、このように入力します。
数が多いため全てのスクショは上げていませんが、プロット生成例として3枚載せます。
一気にプロット作成 : (表で作る)
プロットを要素に分解して入力するとテーブル表示でランダムなデータで埋めてくれます。
このように、ファンタジー小説「魔法の森の冒険」のプロットが分解された例を示しました。各要素が物語の構造やテーマ性を形成しています。
テーマ | 異世界転生 |
ジャンル | ファンタジー |
タイトル | 魔法の森の冒険 |
コンセプト | 現代の日常から異世界に転生する冒険を描く |
ログライン | 魔法の森で魔法使いの少年が成長する冒険を描く |
登場人物 | ユウキ(主人公)、魔法の森の住人、魔法使いの仲間たち |
設定 | 魔法の森や魔法学校などのファンタジーな世界 |
プレミス | ユウキが自己を見つけるための冒険が始まる |
プロットポイント(序盤) | ユウキが魔法の森に迷い込む |
プロットポイント(中盤) | ユウキが他の魔法使いと友情を育む |
プロットポイント(終盤) | 魔法の森の魔王との最終決戦 |
ストーリーストラクチャー | 素朴な出発から魔法の冒険への展開 |
サブプロット | 魔法の森の住人との交流やユウキの成長 |
テーマ別シーン | 主人公が自己を見つけるための重要な場面や試練を描く |
シナリオ | ユウキが魔法の森に迷い込み、新しい友達と出会い、自己を見つける物語が展開。最終的には魔法の森の魔王との壮絶な戦いを通じて成長する姿が描かれる。 |
これらの要素は、あなたの好みに合わせて変更することができ、テーマも固定する事ができます。
ChatGPTの表を載せたいのですが、ちょっと見づらいです。
表はこのように作成されます。
変更例
例えば「テーマを『異世界転生』に固定してください」と入力しておくと、テーマが『異世界転生』に固定され、他がランダムに埋められます。
ジャンルを変更して、それ以外をランダムに埋める事もできます。(今回は『異世界固定』が引き継がれています)
以下はジャンルをサスペンスに変更した生成画面です。
テーブル作成はたまに断られます
ChatGPTはタスクにより時々断ることがあります。
しかし表作成のタスクなら、やり直せば作成してくれます。
ChatGPTを使う際の注意点
ChatGPTを使ってプロット作成する際には、以下のような注意点があります。
- ChatGPTが生成した文章には、誤りや不適切な内容が含まれる可能性があります 。
- ChatGPTは、あなたの小説のテーマや目的を理解しているわけではありません。
- ChatGPTは、既存の作品や情報に影響されることもあります。著作権や倫理的な問題がないかどうか自分で確認する必要があります。
- ChatGPTは、小説のプロット作成に役立つツールですが、それだけでは小説を完成させることはできません。
注意点をまとめます。自分で内容を読んでみて問題がないか確認してください。
理由は著作権に触れる事があるかもしれませんし、AIだけでは読者の心が動く物語が作りにくいからです。
ChatGPTで作成した小説は『自分で確認』しましょう。
まとめ・おわりに
この記事では、プロット作成に必要な要素と、ChatGPTを使ってプロット作成する方法と注意点について紹介しました。
プロット作成は小説を書く上で欠かせないスキルですが、難しいことも多いです。ChatGPTを使えば、自分だけでは思いつかなかったようなアイデアや展開が得られるかもしれません。
ChatGPTを使ってプロット作成に挑戦してみませんか?あなたの小説に新しい風を吹き込むかもしれません。
コメント