卒業論文(卒論)を書く時期が近づいてきたけれど、構成を組み立てが分からない。どのように書き始めればいいのかわからない。
そんな不安や疑問を抱える大学生は少なくありません。
卒論の書き方がわからず、どこから手を付けていいのか悩んでいるあなたに、卒論の基本的な構成と効果的な書き方について、具体的に解説していきます。
卒論の基本構成は主に「4つ」
卒論テーマを「ソーシャルメディアが若者の自尊心に与える影響」と仮定して解説します。
卒論の構成は以下。
- 問題提起
- アブストラクト(論文の要約)
- 論証(論文の本体)
- 引用、参考文献一覧
という形を取ります。
この構成により、あなたの研究を論理的に展開できます。
参考:
この構成が重要な理由
卒論の構成を「問題提起、アブストラクト、論証、引用、参考文献一覧」にする理由は以下の3つです。
- 問題提起で目的の明確化
- アブストラクトで全体像を伝える
- 論証で主張を証明する
- 引用、参考書籍で客観的データを提示する
問題提起
問題提起により、研究の動機と目的を明確にします。
研究が着目した具体的な問題を設定することで、読者はなぜその研究をしたのか理解することができます。
アブストラクト
アブストラクト(論文の要約)は、研究の全体像を簡潔に伝えるために不可欠です。
この部分では、研究の目的、方法、主な結果、結論を短くまとめ、読者が論文の内容を素早く把握できるようにします。
論証・引用、参考文献
論証においては「引用、参考文献一覧」を通じて、研究の信頼性を確立します。
自分の主張を支持する客観的なデータとして他の研究データや書籍を引用することで説得力ある論理展開ができます。
参考文献一覧は、読む人が「どの部分について、どこを参考にしたのか」が分かるように明記します。
実例で見る卒論の書き方:ソーシャルメディア研究から学ぶ
卒論での具体的な書き方について、一つの例を挙げてみましょう。
研究テーマ: 「ソーシャルメディアが若者の自尊心に与える影響」
- 問題提起: 現代社会におけるソーシャルメディアの普及が、若者の自尊心にどのような影響を与えているのかを探求します。この研究の目的は、ソーシャルメディア利用と自尊心の間に存在する関連性を明らかにすることです。
- アブストラクト: 本研究は、ソーシャルメディアの使用が若者の自尊心に及ぼす影響を調査しました。定量的な調査方法を用いて、ソーシャルメディア利用時間と自尊心のレベルの関連性を分析しました。結果は、日々の利用時間が長いほど自尊心の低下が見られることを示唆しています。
- 論証: 実施したアンケート調査の結果や、関連する先行研究を引用して、ソーシャルメディアと自尊心の関係について論じます。ここでは、具体的なデータや分析結果を用いて、主張を補強します。
- 引用: 研究の過程で参照した文献や先行研究を挙げ、論点を支持するための根拠としています。これにより、研究が既存の知識に基づいていることを示します。
- 参考文献一覧: 研究で使用したすべての文献の一覧を提供し、読者がそれらのソースを参照できるようにします。これは、研究の信頼性を高めるとともに、興味を持った読者がさらに情報を探求する手助けをします。
この例を通じて、卒論の書き方の一般的な構成と、それぞれの部分が果たす役割を理解することができます。
反論にどう対処する?あなたの研究をさらに強固なものに
卒論を書く過程で、自分の研究や主張に対する反論や批判に直面することは避けられません。これは、学術的な議論の一部であり、あなたの研究をさらに強化する機会となります。
想定される反論の例
例えば、「ソーシャルメディアの使用が必ずしも自尊心に悪影響を与えるわけではない」という反論が考えられます。このような場合、以下の点を考慮することが重要です。
- 反論の理解: 反論がどのような根拠に基づいているのかを理解し、それに対するあなたの研究の立場を明確にします。
- 根拠の提供: 自分の主張を支持するために、さらに強力な証拠やデータを提供します。これにより、あなたの研究が全面的な検証を経ていることを示すことができます。
- 多面的な分析: 単一の視点に固執するのではなく、異なる視点からの分析を行い、研究の深みを増します。これにより、批判に柔軟に対応し、研究の包括性を高めることができます。
反論や批判は、あなたの研究がより厳密で、信頼性が高いものになるよう促します。それらを恐れるのではなく、自分の研究をさらに発展させる機会と捉えましょう。
まとめ : 今すぐ始めるべき卒論の準備
卒論の書き方や構成についての理解を深め、それを実践に移すことは、大学生としての大きな一歩となります。
卒論は単に学位を取得するための手段ではなく、あなたの学問的興味や研究能力を示す機会です。
- 問題提起から始める: 自分が興味を持てるテーマを見つけ、その問題提起を明確にしましょう。これが卒論全体の指針となります。
- 計画的に進める: アブストラクト・論証・引用・参考文献一覧など、各セクションを段階的に書き進めることで、論文を構成していきましょう。計画的に進めることで、焦ることなく質の高い研究を行うことができます。
- フィードバックを求める: 指導教員や同級生からのフィードバックを積極的に求め、反論や批判に対する理解を深めましょう。これにより、あなたの研究をさらに洗練させることができます。
卒論の書き方について学ぶことは、単に学位を取得するためだけではなく、将来的にどのような職業に就くにしても役立つスキルを身につけることです。
だからこそ、「卒論の書き方」を理解し、今から準備を始めましょう。
あなたの研究が新たな知識と洞察を世に問う第一歩となることを願っています。
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