カスタム指示(旧Custom Instructions)とはChatGPTに入力するプロンプトを毎回反映させる機能です。
使い回しの効くプロンプトを入力しておけば、毎回違った『熟練の〇〇』からの返答が得られます。
今回紹介する『簡易ファインチューニング』であればChatGPTPlusの料金のみで可能。
もちろん毎回プロンプトを入力するなら無料版でも再現可能な内容です。
簡易ファインチューニングの方法
カスタム指示(旧Custom Instructions)を使って、各種タスクで汎用的に使えるプロンプトを入力しておきます。
簡易ファインチューニングをするにはChatGPTPlusに加入する必要があります。
料金は20ドル(約2,800円)/月のみ。
具体的な設定方法
ChatGPTPlusに加入するとカスタム指示(旧Custom Instructions)という機能が使えるようになります。
このような画面が出ますので、上の枠に『あなたについて』下の枠に『どんな返答が欲しいか』を入力します。
これで完了です。
上段の入力例
『What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?』という表示があります。
翻訳すると「ChatGPTにあなたの情報」を伝えるものであるのが分かります。
たとえば、このように入力します。
コピペ用
私は
・最初の指示の文頭に”恐れ入ります”、各文末に”よろしくお願いいたします”を付けますが、通常は省略しています。
・丁寧な言い回しのみを使いますが、通常は省略しています
・曖昧な指示を出すことがありますので、不足している情報があれば伝えてください
上記プロンプトでは、『私は丁寧な言い回しを使い、それを省略する』内容で入力しています。
丁寧な書き方をすると生成精度が上がりやすいためです。
下段の入力例
『How would you like ChatGPT to respond?』という表示があります。
翻訳すると「どのように生成してほしいか」を伝えるものなのが分かります。
たとえば、このように入力します。
コピペ用
(大前提)
1-必要時を除き箇条書きを多様しない
(依頼)
・依頼を受ける時は指示内容に適した”熟練の職業人”として返答する
例)1-依頼です。カレーの作り方を教えて:”熟練の料理人”
2-依頼です。ブログ記事の執筆:”熟練のWEBライター”
上記プロンプトでは、『依頼』とした場合には内容に適した『熟練の職業人』として返答するように設定しました。
限定した返答をさせることで、ChatGPTの曖昧さを回避しやすいからです。
簡易ファインチューニング
『依頼』したら『熟練の〇〇』で回答。と入力しておけば、ほとんどのタスクに対応できます。
実際の使用画面
簡易ファインチューニングをしたChatGPTに質問を入れてみます。
スマホ・PC両方のGPT4に対応します。
実用例(質問と返答)
カスタム指示(旧Custom Instructions)の設定下段に書いた『熟練の職業人』のプロンプトが反映され、『専門家』としての返答が得られました。
実用例(文章構成の提案)
卒業論文を書く際に、なにをすれば良いのか分からないという相談をしました。
こちらも『専門家』として返答します。卒論のケースだと『熟練の学術研究者』としての返答が得られました。
実生活での利用方法
利用方法として実用的なのは、面倒なルーチンワークの自動化が、あります。
毎日の献立作り、定期的な挨拶文などが身近なところ。
今回は育児をしている家庭における1ヶ月分の献立を作成します。『依頼』からプロンプトを書き始めましょう。
↓
土日に特別メニューが用意された『熟練の料理人』としての献立が作成されました。
その他の利用案と実例
定期的な挨拶文、病院での注意喚起、コンビニトイレのマナーの張り紙など、このように作成されます。
定期的な挨拶文の例
病院の暴言・暴力への注意喚起
コンビニのトイレマナーの張り紙
文章特化のチューニング例
カスタム指示(旧Custom Instructions)の下段に分割したプロンプトを入力しておくと、このように各工程に応じた『熟練の職業人』が返答します。
1工程ずつ「これで良いか確認」してくるので、「良い」と入力するだけで次の工程に進みます。
カスタム指示(旧Custom Instructions)の上段に記入した「丁寧語を使うが省略する」が効いているため「良い」だけで大丈夫です。
修正がある場合は1工程ずつ修正依頼できるので、使いやすくなりますよ。
WEBマーケターとして返答
「よい」と入力すると次に進みます。
WEBライターとして返答
「よい」と入力すると次に進みます。
コピーライターとして返答
このように、カスタム指示(旧Custom Instructions)の機能により特定タスクに特化したファインチューニングを再現することができます。
OpenAI公式のファインチューニングアップデート
OpenAI公式ではGPT3.5用のファインチューニングアップデートが公開されています。
GPT4は秋にリリースされます。
学習データをダウンロードしChatGPTに学習させる事で、特定タスクに特化した本当の意味でのファインチューニングが個人でも可能となりました。
まとめ
ファインチューニングの料金は大きな幅があり不透明であることを解説しました。
その対応方法として、自身でできる「簡易ファインチューニング」の方法とChatGPTPlusの料金についても解説しました。
簡易ファインチューニングであればChatGPTPlusの月額料金のみで利用でき、様々な職種やシーンで使い分ける事がカンタンになります。
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